【番外編 こども達とジオラマと忘れられないメンバーさん その16】
『まりあんにんと見つかった宝箱』
2011年の5月から始まった「誰かのためにプロジェクト」は
2015年2月21日の訪問で合計46回目の訪問となった
活動の継続は続き、もう四年目に入ろうとしている
毎月一回、必ずどこかで誰かのためにと訪問が行われるんだ
オレは当時からこども達の相談やメッセージを受け
握手会などでメンバーの皆さんにそれを伝える役目を引き受けた
長い伝言役を引き受ける中で、メンバーさんから一番多く聞いた言葉がある
「わたしで力になっていますか?元気をもらってしまうばかりです」
オレは当初、このメンバーさんの返答にキチンと返事できなかった
「力になっています、安心してください」と答えはするものの
オレ自身がちゃんとした答えがわからなかったのでためらいがあった
誰かのためにプロジェクトは何の為に継続し行うのか
そしてそれは何を生み出すための活動であるのか
みんながその答えの入っている宝箱をさがしていたんだと思う
その宝箱を見つけてくれたメンバーさんがいる
入山杏奈さんと阿部マリアさん、まりあんにんの2人だ
今では町でもほぼ伝説となり愛されている2人について書いていこう
二人が訪問で訪れたのは2013年9月14日
見た目のクールさや綺麗さに戸惑うこども達や町のみんなに
まりあんにんの2人は明るく、冗談好きな一面を魅せて和ませてくれた
まるでこどもみたいにはしゃいで笑う2人にこども達もすぐに懐いたんだ
そして2人はライブで目いっぱいの笑顔のパフォーマンスを行い
町のみんなに勇気と元気を与えてくれて、そこからみんなが応援する事になった
オレはスタッフさん達にこの2人を連れてきてくれた事を心から深く感謝した
まりあんにんの2人は町の人やこども達との約束を破った事は一度もない
むしろ2人はこの後、町の人達にとって大切な事を教えてくれる人になる
ジオラマの展示会、あんにんは朝一番に訪れて挨拶をしにきてくれた
以前の訪問でマリアさんの建物がなかったので、こども達が作る約束をした
その約束を守り、あんにんは笑顔で手を振りながら展示会に駆けつけてくれた
あんにんはこども達が約束を守った事をマリアさんに伝え
マリアさんもまた展示会で何度もジオラマを見にきて楽しんでくれたんだ
「まりあんにんは何か違うんだよ」「あの2人には秘めたモノがあるね」
こども達も町の大人たちも、この時に不思議な縁を感じていた
まりあんにんの2人から何故か不思議な魅力を感じたのだそうだ
そんな事を聞いてオレはみんなに言った
(`・ω・´)<キレイすぎるからコメントに困るだけじゃない?
パーン , , パーン
パーン_, ,_ ( ・д・) _, ,_パーン
( ・д・) U☆ミ (・д・ )
⊂彡☆))Д´>>オレ☆ミ⊃ パーン
, ,∩彡☆ ☆ミ∩, ,
( ) パーン ( )
パーン パーン
と、言うぐらいにこども達や町の人達は、まりあんにんloveなのだ
オレもまりあんにんの2人にはこども達からせがまれ握手によく行く
2人は他愛もないこども達や町の人からのメッセージや伝言に
いつも笑顔で答え、ジオラマを見にファンの人が町に言ったことを聞いて
心から喜んで励ましのメッセージを託してくれた
そして事件が起きた
町には多くのメディアの問い合わせがあった、多くは台本ありき
編集ありき、町の人は震災から嵐のようなメディアのやり方は知っていた
だがメディアの力は大きい。震災以降、町に人を呼ぶ力の大半は
メディアの力によるものだ。それほどに何もなく困っていた町にとって
メディアに協力する事を拒む事は、大切な生命線を失う事でもあった
そして町の人は決断した。メディアには何も答えないという事
オレはこの町の人の決断にとても驚いた、メディアを断つことは
関係が崩れ、今後の町の情報発信は難しくなると思ったからだ
それでも町の人は明るくオレに諭すように言った
「あんにんは町にとって大切で守らなきゃいけない家族だからね」
そしてこども達はみんなの前で笑顔を通した
(^o^)(^o^)<今できる事はジオラマを作り続けることだよ、キバさん
まりあんにんの2人に心配をかけたくなかった
まりあんにんの2人がいることで救われたんだと伝えたかった
それからしばらくして、ジオラマの展示場所にはみんなが願いを書いた
七夕飾りが作られ短冊がいっぱいに寄せられた
「あんにんのスマイルがみたい」
町の人やこども達の本当の願いだった
そして6月28日、その願いの短冊の横に一枚の短冊が飾られた
「みんなのスマイルがみたい」
その短冊はあんにん本人からだった
多くの町の人は泣いた。気丈に振舞っていたマリアちゃんも泣いた
こども達はそこでようやく憎しみと悲しみから解き放たれ、泣く事ができた
「辛い目にあうのは私たちのほうが慣れているから、身代わりになりたかった」
そう言って影で泣いたこども達。まりあんにんは多くを失ったこども達に
多くの愛を注ぎ、見守っていた。そして強くしてくれていた
メンバーの皆さんに伝言やメッセージを伝えに行くときによく聞く言葉がある
「わたしで力になっていますか?元気をもらってしまうばかりです」
オレは自信を持って答える
「もちろん!みんなにとって大きな力になっているよ!」と
メンバーの皆さんも、町のみんなも誰かのためにの答えが入っている
宝箱を探し続けた。それは見つかった、宝箱は自分達が持っていたんだ
その宝箱の中に入っていたものは「本当の愛」だった
町の人にとって、まりあんにんの2人はメンバーを越え家族になった
こども達は新しいジオラマの案をオレに提出した
それは大変に難しいもので、今でもあれこれ製作が続けられている
それほど、まりあんにんの2人はこども達にとって大切な家族なんだ
その後もマリアちゃんはこども達に愛情を注ぎ続けている
岩手のコンサートの後でジオラマの子に会い、ただ笑顔で喜び合う
ジオラマのこども達はその想いをジオラマ製作に込めて作り続ける
先日、あんにんは公演に復帰した、だがまだ長い時間はかかる
それでも一歩を踏み出した。町のみんなはこれからも応援すると笑顔で言った
そしてこの思いやりの関係は復興プロジェクトに繋がり奇跡をおこす事になった